どら焼きだけじゃない、私の推し和菓子屋〜『桃六』
今回取り上げる『桃六(ももろく)』は、私のあんこ人生にとても影響を与えた和菓子屋さん。
創業1872年、今年150年。東京駅八重洲口から徒歩10分ほど、京橋のオフィス街大通りから一本入った所にある。
昔むかし、職場が近かった私は週3で通う常連客だった(つもり)。和菓子の四季、朝生菓子、上生菓子などを自然に学ばせてもらった。
3年前、国民的アイドル嵐の二宮君が結婚した際、マスコミにこちらのどら焼きを配ったことから、桃六はいきなり全国区となった。
もともと森光子さんや池内淳子さんといった大女優さんのご贔屓でもあり、知る人ぞ知る名店だった。
「“知る人ぞ知る”ではもったいない、マスメディアはもっと宣伝して!」と長年望んでいたものの、二宮君の一件でファンが押し寄せ「どら焼き1ヶ月半待ち」となると、“知る人ぞ”の方がよかったな・・などと我儘なことを思ったりした。
私はどら焼きが苦手だったが、初めて完食したのは桃六のものだった。だっておいしいんだもの!だから、桃六の知名度が上がるのはやっぱり嬉しい。
さて、9月10日は十五夜だった。
前日の9日、用事の前に久しぶりに桃六さんに寄ることにした。お月見だんご狙いだったが、いろいろと理由(わけ)ありで結局買わなかった💧(えー!?)
【お月見だんごセット】9月9日の限定販売。お月見だんご・あんこ・きなこ・すすきとお花付き。
店内正面の桃太郎が彫られた一枚板は桃六の象徴。
象徴といえばもうひとつ、店頭や店内の所々に素敵な手書きポップが貼られている。
私が常連だった頃(笑)の女将さん(現5代目のお母様)の作品と聞いたことがあるが、新しいものは今の女将さんが書かれているのかな。だとしたら、そのバトンタッチも素敵。
全部買いたくなってしまうショーケース。器がいい!
あんも餅も自家製、一日で売り切る分だけ作るため、昼前に完売しているものもある。
この日は帰りが遅くなる予定で、たくさん買っても当日中に食べられないので、厳選して看板商品の桃太郎だんご(あん・醤油)、大好物の栗むし羊羹、桃六ではお初の麩まんじゅうと梅すいれんを購入。なんやかんや結構買ってる(笑)。
【桃太郎だんご(あん・醤油)】
当日に食べないと硬くなる本物。桃太郎の絵が描かれたセロファンは昔から変わらない。
おだんごも好きじゃなかったけど、桃六がおいしさを教えてくれた。
あんだんご
こしあんの布団に全身包(くる)まれている。もっちりとしただんごとさっぱりとした甘さのあんで、これは何本も食べられる。
醤油だんご
みたらしではなくて醤油。あんことあんこの合間に良い働きをする。香ばしくて「日本人でよかった」と喜べる味。絶対におすすめ!珍しい“だんご三兄弟♬”🍡
【栗むし羊羹】
栗がぎっしり!以前は生の栗だったはず。その分全体的に甘味が増した気がする。これももちろんおいしいけど。(※個人的感想)
【麩まんじゅう】
中が見えないのに惹かれる。
香りのよい笹の葉をはがすと・・もっちもち現る。
瑞々しいこしあん入り。生麩に青のりが混ぜ込んであり、その風味がよいアクセントになっている。
【梅すいれん(水まんじゅう)】
三角すいの笹に入って涼しげ。そろそろ季節終了かな。
透けて見えるのは蜜漬け青梅。
夜まで持ち歩いたから?梅から蜜が出て、あんがトロトロになっていた。正規のスタイルではないかもしれない。でも梅風味のあんがとても合う!
全品満足のおいしさ。桃六にハズレなし。
どら焼きは看板焼き菓子だが、“沖の石”という砂糖をまぶした懐かしあんドーナツ風まん丸焼き菓子もまたおいしい。同僚とこればかり食べていたことがある。
お次の行事はお彼岸→ハロウィーン🎃。近いうちにまた出かけよう♪
〈今回いただいた和菓子〉
桃太郎だんご(あん・醤油) 各150円
栗むし羊羹 320円
麩まんじゅう 280円
梅すいれん 280円(すべて税込)
桃 六
〒104-0031 東京都中央区京橋2-9-1
03-3561-1746
月〜金 9:30〜17:00、土日祝 定休(2022年9月現在)