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日々の労い&明日への活力に!街グルメと和菓子とお出かけの記録

ショーケースのない、風情感じる舗と和菓子〜『御菓子司 ときわ木』

再開発が進み高層ビルが立ち並ぶお江戸日本橋のど真ん中、大通りを曲がった所にひっそりと佇む和菓子屋がある。

創業1910年の『御菓子司 ときわ木』。

 

 

年に3回のみ予約販売する“若紫は、他にはない珍しいお菓子で、和菓子好きの母が手に入れたのか、昔むかし実家で食べたことがある。若い方には難しい?大人向けお菓子かも。シンプルなようで複雑で上品な逸品だ。

今回は“若紫”ではない(ないんかぃ!)が、「それを作っている店」という前置きってことで😊

 

店内は2〜3人でいっぱいになるスペース。正面は小上がりになっていて、硝子のショーケースは置いていない

『ときわ木』は、三重(さんじゅう)の木箱に和菓子見本を載せて見せるシステム。客はここから選んで注文する。創業当時からこの形なのだそう。趣があって素敵だ。

 

この日のラインアップ
写真を撮りやすいようにと低い台に置いてくださった

 

10月下旬、秋の和菓子。季節のお菓子なので、顔ぶれは訪れる度に変わる。四季のある和菓子の楽しみ。

大好きな栗の季節🌰、今回も購入するお菓子は決めてきた。

 

全11種類、粒あんは“最中”のみ、他はこしあん とのこと

 

「本日“栗茶巾”がもう終わってしまったのですが、あとのものはございます。」

(ショック!)「わぁー栗茶巾狙いでしたーー😭」

この日はお茶会の大量注文があったそうで、残念ながら栗茶巾は手に入らず。

 

幻の“栗茶巾”(見本)

 

栗茶巾3個+ほか3個=計6個購入予定だったが、ほか3個だけの購入となった。

藤ばかま”と“栗蒸し羊羹”と“最中”。

 

「申し訳ございません。もしよろしければ、次回ご予約なさっていらしてください。お取り置きしておきますので。」と名刺をくださった。栗茶巾は11月下旬までの販売だそう。

物腰が柔らかく穏やかで丁寧な奥様。ありがとうございます、きっと伺います🙇‍♀️

 

 

パック容器が多い今、3個しか購入していないのに箱に入れて包装してくれた。

きっちり折られた包み紙、きれいに結ばれた紙紐。もちろんテープは使われていない。感動の職人技、美しい!

 

 

まず【包み紙】

千代田はし(橋)」と書いてあるみたい。

調べたら、創業当時にはなかった橋。『ときわ木』は一度近所に移転し、再び今の地に戻ったそうで、その時の地名のようなものだろうか。橋は現存だが、川は埋め立てられて今はない。

電話のところにも「千代田」の文字。こういうの、いいなぁ。

 

【最中】

 

 

これほど黒光りしたあんは、ありそうであまりないと思う。大納言小豆小倉あんのような気がするが、奥様が「粒あん」とおっしゃったので粒あんなのかもしれない。

豆は軟らかく、色のわりに瑞々しくて控えめな甘味。寒天を少し感じるけど、逆に食べやすいくらいの喉ごし。いやーおいしい!!

 

【栗蒸し羊羹】

 

大きめに刻んだ栗が中にたくさん!蜜漬けの甘ーい栗の店もあるが、これは栗そのものの甘さを味わえる。

蒸し羊羹はやや硬めでむっちり。口に入れた瞬間は甘さをあまり感じず、噛む毎に小豆の風味が出てくる。奥からの旨味をゆっくりと味わう感じ。これも好み!

実際は艶消しの黒っぽい小豆色。見た目も中身も“いぶし銀の貫禄”。

 

【藤ばかま】

 

秋の七草の1種、淡い紫色の花を咲かせるフジバカマ

しっとりしていたが、空気に触れると乾いてきてしまう。早めに食べよう。

中はきめ細かいこしあん、皮は白あんの少しザラッとした舌触りと味がする。噛まなくても口の中で溶けていく。見た目のとおり“紫色の黄身しぐれ”。

 

どれも深みのある上品な和菓子。茶会の主菓子とされるのも納得。濃いめに淹れた日本茶がとてもよく合う。

 

 

〈今回いただいた和菓子〉

 最中    150円

 栗蒸し羊羹 340円

 藤ばかま  320円(すべて税込)

 

 

御菓子司 ときわ木

〒103-0027 東京都中央区日本橋1-15-4 ときわ木ビル

03-3271-9180

月曜〜金曜営業、※現在ご都合により水耀は休業中